もちもちした犬

おもに日記のようなものを書きます。

渡航

ほぼ眠れなかった。とりあえず6時30過ぎになったのでブレーカー、ガスの元栓、水回りを確認。持っていくべきものもおそらく揃っているが、この部屋はこのまま数か月放置されるのかと思うと家を出るのはなかなか難しかった。

206系統で京都駅まで向かう。京都駅には、まともな朝飯が食える店はそう多くない。ミスタードーナツで謎のパイを食べ、いつもは頼まないアイスミルクティーを飲んだ。かくして、これが京都で食べる最後のめしとなった。気の迷いで特急はるかに乗ったが、席は空いていて快適であった。とはいえ、心中穏やかではない。クネクネしながらヨーグルッペの炭酸飲料を飲んでいたらすぐ空港に着いた。

特急はるか。ハローキティがいたるところにいる

チェックイン開始まで相当に時間がある。とはいえ関空も店はほとんど開いてない。デカい荷物がある状態ではうろちょろするわけにもいかず、書類の確認やらなんやらをして時間をつぶす。

保安検査場を抜けるも、休業が目立つ。免税店はにぎわっていたが、気が進まず何も買わなかった。中国人の旅客は、頭まですっぽりと覆う真っ白の防護服を着ている人も多く、少しぎょっとした。

スターラックスには初めて乗ったが、おおむねよかった。空港でろくに飯がなかったのでひもじい思いをしていたが、機内食が出てきたのでひとまず解決した。野菜が多いのもうれしい。

椰汁咖喱魚佐洋葱奶油飯

持ってきた内田百閒の本を読んで過ごす。「百鬼園先生思えらく、飛行機に乗るのもいいが、落ちるとあぶない」「寧ろ、飛行機に乗って安全なる事を求めるよりは、之を自殺の具に供する方が趣がある」。台風の影響でめちゃくちゃ揺れている飛行機で読むのは格別である。

着陸後が大変であった。SIMをあらかじめ買っていたのはよかった。いろいろと引き回され、最後は唾液を吐いたものを提出。大学やらなんやら複数の場所に連絡をしないといけないこちらも手間だが、こういう管理をする側もいい加減疲弊していそうなものだ。寮費なども含め15万円を台湾ドルに両替した。関空ほどではないが、台湾ドルがここでもかなり高く円安を感じた。まあ台湾ドル自体も相当高くなっているらしいが……。その後タクシーで空港近くのホテルに移送される。大学その他にいちいち連絡をする必要がある。

ホテルの受付の人は流暢な日本語を話したのでちょっとびっくりした。清潔で、思ったより広い部屋だったが、いかんせんバカ高い費用を払ったので粗探しをしたくなる。とりあえずトイレットペーパーが流せないタイプなのはかなり嫌だ。洗濯は自分で手洗いするようになっていてこれも嫌だが、クーラーのおかげですぐ乾いた。

窓を開けると、台湾のにおいがする。台湾のにおいというよりほかにないかおりを帯びた暖かい空気が入ってくる。外に見える景色は面白いものではないが、野犬が喧嘩をしていたり、「乙女の祈り」の電子音を響かせるゴミ収集車がいたりする。自分はまだこの景色の中に入ることができないのだと思うと、少しもどかしい。

夜ごはんは鶏肉の弁当だった。疲れもあり、なかなか箸がすすまなかった。野菜もあるが全部油っ気が強い。有料でビールも頼めるのだが高すぎるのでやめておいた。

しばらくして携帯に電話があり、いきなり名前を聞かれ困惑。やはりコロナ関係で連絡しているらしかった。本当に面倒が多い。これが1週間くらいは続く。